ヨックモックミュージアム 開館記念
『ピカソ:コート・ダジュールの生活』展

ヨックモックミュージアム開館記念として『ピカソ:コート・ダジュールの生活』展を開催中です。ピカソ研究者の松井裕美氏(神戸大学准教授)を監修者にお迎えして、ピカソが第二次世界大戦後に情熱を燃やした、セラミック作品の世界を紹介します。
制作の舞台となった南仏コート・ダジュールでの生活や、ピカソがセラミックの制作でこそ実現できると考えた平和への願いなどに触れてください。

会期:2020年10月25日(日)から
2021年9月26日(日)まで

休館日:月曜日・年末年始・展示替期間 
※ただし月曜日が祝日の場合は開館。

開館時間:10時〜17時 
※入館は閉館の30分前まで

チケット代:一般1,200円(税込) 学生800円(税込) 小学生以下無料
※障がい者手帳をご提示の場合、ご本人と付き添いの方1名は無料
※新型コロナウィルス感染拡大防止のため変更となる可能性がございます。

関連イベント:詳細が決まり次第、当サイトでお知らせします。

 

見どころ

ピカソのセラミックの世界を紹介します。

第二次世界大戦後、65歳になったピカソは、騒がしいパリを離れて南仏コート・ダジュールを生活と制作の拠点とするようになり、この地でセラミック制作を本格的に始めました。芸術表現の新たな手段として出会ったセラミック作品の世界を、平凡な器を変形させることで生み出されるかたちや、恋人たちとの関係から紡ぎ出された表現、地中海ならではの着想から生まれたモティーフなど、さまざまな切り口でご紹介します。

セラミック作品に込めた平和への思いと背景を紹介します。

彼の絵画《ゲルニカ》は、スペインの小都市への爆撃への憤りを契機に1937年に制作され、やがて反戦の象徴的な存在となりました。この経験などから、ピカソ自身も平和運動に積極的に関わりはじめ、その際には、芸術作品としての質を保ちながら複数の作品を作ることができるセラミックの制作が、思想上も重要な位置を占めるようになります。ピカソがセラミックの作品に込めた平和への想いと、そこにいたる背景を紹介します。

関連イベントを随時開催

詳細は当ホームページでお知らせいたします。
なお、本展覧会に続き、今後は技法やモチーフの理解を深める企画展の開催を予定しております。これら一連の展覧会を通して、皆様にピカソが制作したセラミックの全容をご紹介することができれば幸いです。

 

展覧会構成

BF展示室

SECTION Ⅰ:日用品のかたちの変容

水差しや皿など、暮らしの中で使われてきた「焼きもの」  が、ピカソの眼と手を通ることで人の顔や動物のイメージが重ねられ、芸術作品へと変わります。セラミックという身近な素材を通して、ピカソの創造力に迫ります。
職人が皿や花瓶など「本来のかたち」に成形した粘土を受け取ったピカソは、彼らに技術を教わりながらヘラで溝を付け、釉薬で絵を描きました。いっぽう職人のほうもピカソを介して慣れ親しんだ「現代の西洋」以外の世界を知り、創作のヒントとしたのです。このような、日常に繋がる共同作業を通じて出来上がった作品によって、日常そのものに驚きと喜びをもたらすことをピカソは意図していました。

SECTION Ⅱ:芸術生活の変容

第二次世界大戦後には、終戦の開放感や戦禍への悲嘆、またパリ生活への倦怠や新しい家族の形成など、ピカソ自身の精神のありようが大きく変化し、作品にも反映されました。
南仏の温暖な気候の中で平和を享受しつつ、芸術家の社会的な責任についてより深く考えるようになったピカソ、また複雑な女性関係に悩み、友人や職人たちとの交流に勤しむピカソ、その姿を紹介します。
特に、戦時下生活の体験によって芸術家が社会に関わることの重要性に目覚めたことは、伝統あるヴァローリスの職人と協働してエディション制作に携わり、また自作を美術館に寄贈することなどの行動となり、「社会に背を向ける芸術家」のイメージを打破する試みにつながります。

SECTION Ⅲ:時代の激動

第二次世界大戦の開戦前夜、1937年に描かれた《ゲルニカ》は、スペイン内戦の最中に、反乱軍と同盟を結んでいたナチス・ドイツによって行われたゲルニカの街への空襲に抗議する作品でした。最先鋭のスタイルによって描かれた《ゲルニカ》は、いわゆる「分かりやすい」作品ではなかったものの、やがて欧米を巡回することで反戦の象徴として広く認知されるようになりました。
そのような状況を経験した大戦下のピカソは、芸術家が社会に向けてメッセージを発信する重要性を自覚します。パリ解放(1944年)以降は、自身を「政治的な存在」と宣言し、平和活動に深く関わりました。幼少時から愛し、平和会議のために制作したポスターからさらに多用するようになった白鳩、鳩のモティーフはセラミックにも登場して、彼の平和への願いを直接的に伝えています。
実はセラミック作品の制作も、社会との関わりを求める気持ちが後押ししていたようです。職人はピカソにとって尊敬すべき社会の労働者であり、土と火の魔法がもたらす驚きは人々の日常にもたらされるものでした。

日常に驚きと喜びを見出し、平和な社会を支える人々に共感すること。時代がどれほど大きく移り変わっても、ピカソがセラミックの制作に込めた思いは説得力を持ち続けます。

 

2F展示室
自然光で作品を楽しむ空間を体験してください。

ヨックモック・コレクションについて

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