当館公式アンバサダー様２名と当館学芸員による座談会を開催しました。
（画像右より、クヌルプさん、飯田さん、後ろ姿の学芸員の富安さん）
今回のテーマは「今気になっている他館の展覧会」
富安さん(学芸員 以下省略)：今気になっている展覧会ってありますか？
クヌルプさん(第2期SNSアンバサダー 以下省略)：東京都美術館の「デ・キリコ」展（※１）と「田中一村」展（※２）です。私は田中一村が好きなのですが、実は古書店で田中一村の評伝を手にしてから好きになったんです。
富安さん：本始まりなんですね！
クヌルプさん：本始まりなんです。それから好きになりすぎて、奄美大島まで絵を観に行ったんです。
飯田さん(第2期SNSアンバサダー 以下省略)・富安さん：すごーい！
クヌルプさん：ずーっと見放題で。なかなか彼の作品って都内でまとまって観る機会がないので、とても貴重でした。なので、今回の「田中一村」展はぜひ行きたいです。「日本のゴーギャン」と言われたりしていますが、本人はそういう風に言われるのはあまり好きではなかったようです。そういう風に言えばキャッチーだからという企画側の意図もあったのかもしれません。
富安さん：確かに。。。「あの天才画家ピカソ」というフレーズもパワーワードです。
クヌルプさん：あと、サントリー美術館が秋に開催される「没後300年記念 英一蝶―風流才子、浮世絵を写す―」展（※３）です。「私は英一蝶という絵師が描く親しみのある風俗画と、俗っぽさも感じるキャラクターが好きです。ボストン美術館が所蔵している《涅槃図》を観たのですが、天界から釈迦をお迎えに来る天女達の描き方が印象的で、なまめかしいというか、色っぽいというか。。。まさに聖と俗が混じり合ったような。でもそれをきちんと芸術として昇華させている感じがするんです。
富安さん：とても興味深いです。それと、手に取った本から始まった出会いもクヌルプさんらしいですね。
飯田さん：ところで、みなさん京都市京セラ美術館の「村上隆 もののけ 京都」展（※４）いかれましたか？個人的にこの作品が好きとかはないのですが、とても話題になっていますよね。京都でしか開催しないというのも気になっていて。江戸時代の日本の絵師たちからインスピレーションを受けて作品をつくったということなので、どういう作品なんだろうってとても興味を持っています。
富安さん：作品も出るなら、同時代を生きる芸術家の変容の様を観るのも楽しいかもしれません。
飯田さん：私も、同じ時代に生きている作家さんとその作品をタイムリーに楽しめるという事が、現代アートの醍醐味だと思っています。9割以上が新作である他、8年前に未完成で発表された作品が完成されて発表されていたり、未完成の作品もあるという話も聞いているので、どんな作品なのかなと気になっています。私は作品というより村上さんご本人にとても興味をもっていて、これからどのような方向に進んでいかれるのかを楽しみにしています。色々と商業的なことに巻き込まれながらも、自分のやりたいこともあって、そこのバランスをどのようにとっていらっしゃるのか気になります。
富安さん：会期も延長されるようなので、多くの方が関心を持っている展覧会だと思います。
飯田さん：あともう一つは、パナソニック汐留美術館の「テルマエ・ロマエ」展です。日本と古代ローマを結び付けてお風呂を語るってどういう展示をするのかとても楽しみです。
ヤマザキマリさんの『テルマエ・ロマエ』の漫画や映画が有名なだけに、それをどんな切り口で紹介しているのかとても興味があります。銭湯のインスタ映えスポットがあったりして。
クヌルプさん：今ちょっと銭湯がぎゅうぎゅうって嫌だなぁ・・・っていうことを思い出していました。笑
飯田さん：ゆっくり入りたいですよね。笑
富安さん：パナソニックのお風呂とかも紹介あるんでしょうかね。。。？
飯田さん：でもあったらおもしろいですね。
富安さん：ショールームに続く。。。となるんでしょうかね？銭湯は素晴らしい日本の文化ですからね。チラシを拝見したのですが、浮世絵などもあって、面白うそうでした。
クヌルプさん：浴槽自体が展示室になっていたりしても面白そうですね。
富安さん：どれもとても興味深いので、ぜひ行ってみたいです。おすすめありがとうございました。
※１ 東京都美術館 「デ・キリコ」展 2024年4月27日～8月29日
※２ 東京都美術館 「田中一村」展 2024年9月19日～12月1日
※３ サントリー美術館 「没後300年記念 英一蝶―風流才子、浮世絵を写す―」展 2024年9月18日～11月10日
※４ 京都市京セラ美術館 「村上隆 もののけ 京都」展 2024年2月3日～9月1日
※５ パナソニック汐留美術館 「テルマエ・ロマエ」展 2024年4月6日～6月9日