ヨックモックミュージアムは、「菓子は創造するもの」という想いを受け継ぎ、その言葉やお菓子と共鳴するピカソのセラミック作品をコレクションした美術館です。だからこそ、ピカソとヨックモックのどちらのファンにも驚きと発見に出会える場を提供することを第一と考えました。さらにはミッション・ヴィジョンを骨格としてアート・教育・食といった多様な領域がありながらそれらが一体となった美術館の姿を、幾重にも及ぶワークショップを経て計画・具体化し、運営していけるようデザインしています。


南青山の住宅地にオープンするヨックモックミュージアムは、家に友人を招くようにお迎えしたいという思いからこの敷地を選んでいます。建築も2階建ての小さなボリュームが組み合わさった家型として、中庭を介して「市中の山居」の様に光、風、植物を感じられます。素材もピカソのセラミックやお菓子の様に焼き物にこだわりました。屋根はピカソがセラミック制作をしていたコートダジュールの瓦ディテールをオマージュし、床や壁は陶芸窯で使われている耐熱レンガをイメージしています。
ピカソのセラミックは自然光で見ると、色彩がとても鮮やかに見えるのが特徴です。 2階の展示室は中庭などからの自然光をふんだんに取り入れた開放的なスペースとして作品のポテンシャルを引き出しています。地下の展示室は逆に光を調整し、企画に沿って絵画や版画なども併せて紹介できるようにしています。1階中庭に面したカフェはグッズショップやライブラリーも併設し、展示室を介さずに誰でも自由に出入りできます。カフェや展示室はアートセッションやレクチャーの場にも臨機応変に入れ替わり、驚きと発見に出会えるよう工夫しています。


サイン計画

ヨックモックミュージアムのコンセプトや想いを細部にも感じてもらえるように、サインシステムの素材にもセラミックを用い、案内やピクトグラムを各スペースの環境に合わせた色彩や形状で展開しています。ピカソの豊かで自由な発想で創造された作品のように、美術館の空間そのものも楽しんでもらいたいと計画しました。

廣村デザイン事務所


グラフィックデザイン

セラミックのあたたかみや柔らかな表情、アートセッションなどの幅広い層へ向けた多様なプログラムもあることから、全体的に丸みのある親しみやすいフォルムと、主となるコレクションのセラミックをシンボルモチーフとしてロゴデザインを構成し、ポスターやカタログ、グッズなどのグラフィックへも展開しています。シンボルカラーはヨックモックのCIから着想した3色のブルーを用いることで親和性を感じさせ、制作過程や環境から生まれるセラミックの豊かな色彩も表現しています。

廣村デザイン事務所


法人概要

名称:一般社団法人 YMハウス
所在地: 〒107-0062 東京都港区南青山6丁目15-1
事業内容:美術館運営、その他
代表者:代表理事 藤縄利康
設立年月日:平成28年10月11日
当法人は、美術及び美術教育の振興に関する事業を行い、美術品の展示や美術教育の普及啓蒙活動、若手アーティストの育成等を通じ、地域社会や人々を豊かにする拠点となることを目指し、活動していきます。