『公式SNSアンバサダーによる座談会』開催
当館公式アンバサダー様4名による当館について語る座談会を開催しました。
今回のテーマは一番好きな作品です。
Theme3:企画展「ピカソのセラミック-モダンに触れる」で一番好きな作品は?です。
深津さん:具体的に一番好きな作品は?という質問です。今回展示されている作品でお気に入りってありますか?
山下さん:みなさん被らないといいですね。(笑)
東さん:あ、でも見に来るたびに良いなって思う作品が変わりますよね。
だから、どれを選んだとしても、きっと被らない状態になっていると思います。(笑)
吉田さん:私は《3尾の鰯》が好きです。タイトル通り、3尾の鰯がお皿に載っている作品です。お皿は“三次元”ですよね。その三次元のお皿に二次元で魚を描こうと思ったら、ふつうは“魚の絵”を描きますよね?でもピカソはなんとそこに本当に調理した魚を作ってコラージュしているんです。さらにコラージュした魚のお皿まで黒焦げになっていて、いかにも、さあ、どうぞ!と言わんばかりです。魚の焼いた匂いまでするようです!
深津さん;漂ってくるような。
山下さん:臨場感ありますよね。
吉田さん:そう。魚の焼けたいい匂いがするお皿。(笑)ピカソはそういった作品をたくさんつくっているので、「ピカソは食に興味があるのでは?」、「シーフードが好きなのかも」、「ピカソの子どもたちを喜ばせたのでは?」等と、どんどん想像の広がる作品です。
深津さん:そういうことってありますよね、第一印象で目が行くものがあったりするんだけ
ど、何度か見るうちに変わってくる。
吉田さん:最近、ピカソの絵画作品で、新聞紙を貼ったり、広告を貼ったりしたコラージュを見たのですが、《3尾の鰯》もコラージュであることが伝わってきたんです。お皿におかずの魚を貼っちゃうところが、可愛いしユーモラスな感じがして、実に良いな、と思いました。
深津さん:泳いでいる魚ではなくて、食品として出てきたのが面白いですよね。
吉田さん:普通はお皿に絵付けをするなら、海を描いたり、魚の模様を描いたりするのでしょうけれど、“調理された魚“ですからね。お皿に貼り付けられて、、しかも黒焦げ。本当に面白いです。ピカソならではの作品だと思います。
東さん;そうですよね。静物画では調理してないですよね。だいたい生ですよね。
深津さん:ウサギとかもだいたい捕ってきて生で置いてある
東さん:そういえば、現代美術作家で、ケンタッキーフライドチキンを描いている作家がいたんですけど、そうか、あれは調理した鶏ですね。ケンタッキーフライドチキンが好きだから描いたのかなぁというくらいにしか思っていませんでしたが、今の解釈を聞くと、そうか“チキン”ではなく“唐揚げ”を描いたんだという面白さに改めて気づきました。
山下さん:私は1つに絞れなくて、「見た目が好き」という作品と「発想が好き」という作品があって。「見た目」だと、「Ⅲ ダンス/運動:セラミックは踊る」の作品群なんですけど、まず2人が踊っている作品《踊り子》があって、隣に《4人の踊り子》があって、だんだん増えていって《生きる悦び》ではたくさん踊っていて、という、エリア全体に踊り子たちがいっぱいいるのが「可愛い!」と思いました。《サッカー選手》も、タイトルを知らずに見た最初はダンサーなのかなと思ったし、あのエリアはみんなが踊っている感じで、なんだかわくわくします!
深津さん:私も《サッカー選手》と知らなかったときダンサーだと思ってました。なので、ご機嫌なエリアって感じですよね!
山下さん:ですよね!なんとなく見ているだけでも可愛いし、でもじっくり見ると「単純な線に見えるのに、こんなに生き生きとした動きが表現できるって凄いな」と気づくこともできるし、お気に入りです。
深津さん:本当にそうですね。
(「企画展で一番好きな作品は?」は次回に続きます)